カフェの売り上げ

カフェの作り方100ですが、ゼロから丁寧にと思ったのですが、いろんなパーツをとりあえず増やして、あとでまとめたほうがいいかなと思っています。
今回は運営に必要な「売り上げ」を上げる必要性が出てきたらどうしたらいいの?という話です。
「事業計画書」というものも最初に書くことになりますので、そこでの考え方にも繋がりますので、こちらも是非頭の片隅に置いておいてください。

さて。

僕は、飲食店のコンサルティングをさせていただくこともあります。(ありがたいことです)

先日、焼き菓子屋さんのコンサルティングをさせて頂く機会がありまして、その時に「少し記事に起こさせていただけませんでしょうか…」

というご相談をしたところ快諾頂けましたので、店名などは伏せながらではありますがその時の内容を文字として書いていきたいと思います。

売り上げを伸ばしたい

今回のご相談は委託販売メインの焼き菓子屋さんからでした。

「現状打破」したいんです!という感じが伝わってきたので、まず最初の方向性として

①ブランドやコンセプトを広める(知ってもらうこと)
②売り上げを伸ばす
のどちらが課題なのかを聞かせて頂いたところ「売り上げをあげたい」というお答えでしたので「今回は売り上げを上げる」がゴールです。

あくまで利益を上げる、のではなくひとまず売り上げを、ということです。利益を上げるなどの話になると固定費や、経費を下げるなど細かい話も入ってくるので今回はシンプルに売り上げ、です

お話をさらに聞いていくと、このお店さんは委託やイベントの出店がメインで、工房も自宅で持っていて固定費(家賃や借入の返済金)がほとんどかかっていないということが分かってきてそれはかなりのメリットである、というのがまずポイントでした。

さらにそのイベント出店や委託販売の売り上げを見せて頂いたところ僕の感想としては「そんなに悪くないなぁ」っていう感じで、大きいところだとかなりの数の納品があった。

ここまでで分かった情報は固定費の心配がないということと、めちゃくちゃ有利な情報としてどうやらすでに一定の常連さんや、ある程度決まった数のお客さんは確保できている、ということです。

なので①知ってもらうことではなく②売り上げのところが今回の本題だったのでしょう。

売り上げを伸ばす3つの方法

売り上げを伸ばすには3つの方法があって

①お客さんを増やす
②リピーターさんを増やす
③単価を上げる

という選択肢があります。人口減少、(うちも含め)どこの商品も横並びで「何も買わない、何も選ばない」という選択肢がある中で新規のお客さんを増やすのは莫大な労力とコストがかかるため①はまず消えます。

本当であれば②の選択肢を取りたいところではありますが、すぐ目に見えて効果が出ないのと、委託販売などの場合は店主さんが販売するわけではなく、委託先の”誰かさん”が販売することになりますので、その誰かさんにお客さんにリピートしてもらうような仕掛けは不可能だと判断し、②も消しました。

なので今回まず取り掛かるべきことは③の値上げです。

値上げは割と目に見えやすい効果があって、売り上げが3%伸びただけでも手元に残る利益は大分変わってきます。効果が見えやすいとモチベーションも上がるので次の一手も「よし!頑張るぞ!」ってなりますからね、あながちバカにできない。

値上げして売れるのか

僕は自分のお店もそうですけど、値上げに対して割と慎重ではあるのですが、今回は何が後押ししたのか、何が判断基準かというと、先ほどから書いてますが、ある一定数のお客さんと、常連さんが既にいるというデータです。(ちなみにこの段階では客数の把握はできず、売上からの判断です)今回のパターンで分かることは「売れているのに売り上げが足りない」ということですね。

ただ、そもそも売れてないお店が多いので、最初はまず「認知してもらうこと」から始めるべきなのですが、今回のように、既にお客さんがいるというのはかなりのメリットです。

で、僕も実際、以前にこちらの商品を購入したことがあるのですが品質やボリュームに対して安すぎるなぁと思いました。今の時代、安さはブランドを損ねかねないので、長い目で見たときにそれを防ぐ、という目的もありつつ、一旦適正なところまで値上げをしておきましょう、と提案させて頂いた次第です。

さて。

値上げしても売れるのか?ですが…売れます。

なぜならお客さんはお店に興味がないからです。いつも買ってる商品の値段、言えますか?いつも言ってるお店の営業時間、定休日言えますか?っていうことですね。(もちろん違和感が出るような極端な値上げじゃないです)

ということで少し具体的な作戦を立てていきます。

価格を上げて売っていく具体例

もちろん値段を上げただけで、黙って手をこまねいていて売れるはずがありません。作ったら届けるところまでが商売です。家に着くまでが遠足!(違)

改めて商品の説明をして頂いたところ、すごい可愛い商品があったので「これパッケージなども可愛いですね、売れてるんじゃないですか?」と言うとそれほど売れなくて…とのこと。しかもすぐ販売経路から引き下げてしまったとのこと。それはもったいないので是非売れて欲しいなぁ!という主観もあり…

よく言われるのは人は真ん中の価格帯が好きだということです。松竹梅あれば真ん中の竹を選ぶんですね。なのでその商品を真ん中に考えて、それより1つ上の価格帯の商品を作りましょう、と。

普段の商品は350円前後で作られていて(値上げ後は恐らく+¥30~¥50くらいでしょうきっと)その売れない商品は550円でした。なるほど、売れ筋に比べると高い。ここで650円程度の商品があれば550円が売れるというわけです。ちなみに350円の価格の商品が550円の商品と性格が全く違うものであれば350円のものも一緒に売れます。人は「損をしたくない」ので、委託販売しているところや、イベントにわざわざ買いに行った人達の「損」は金銭的な損では無く「あれも買えば良かったなぁ」という精神的な後悔が損です。

(結局、焼き菓子のmix商品を750円ほどの価格で販売するように動いているようで、これ(550円商品)は解決に向かうかなぁと思います。)

売ろうとするとやっぱり最低でも3ヶ月くらいかかっちゃいます。頑張って届くようにSNSなどで継続して発信して上げることが重要です。

まぁこの辺は具体的な一例ですね

あとはそれこそインスタの更新なども含め小さい細々したお話もいくつかさせて頂きました。

焼き菓子屋は焼き菓子の次に何を売るのか

ここまでやると恐らく目に見えた変化が3ヶ月後くらいに現れるはずです。(やっぱり結果は3ヶ月くらいしないと評価できない…)特に今回は「売上を増やす」が目標なので分かりやすいかなぁと。

それで、このままでもいいんですけど「焼き菓子の販売」にはいつか限界がきます。体力だったり、時間だったり、アイディアの枯渇だったり、モチベーションだったり。つまり1つのものだけを売り続けていても、売る側も買う側もいつか息切れを起こすっていうことです。要は「飽き」です。なので売るものは変えていかないといけないんですね。

例えば、僕だったら自分の中に他に売れそうな価値のあるものって何かなぁと考えたときに”お菓子の作り方”、”コーヒーの淹れ方”、”カフェの作り方”なんかがどうやら他の人にとっては価値っぽいぞ、と。そしてそういう方が高単価で売れます。これも値上げですよね。

なので僕はまずはコーヒーの淹れ方を販売することにしました。「コーヒーセミナー」っていうやつですね俗っぽく言うと。言い換えると、知識や知恵を買ってもらってるのと同じです。そういう方々がうちのお店にまた繰り返し来てくれるようになります。

次にまた売れそうなのは僕のお菓子の知識。

イベントの出店って実はかなりコストがかかって、いっぺんに作る量も多いし、包装の手間や人件費、輸送費、かかる時間とか色々重労働なんです。でも、それをお客さんにやってもらえればどうでしょうか?僕はみなさんに(簡単な)お菓子作りを教えるお菓子セミナーをやる。お客さんはその知識や経験を買う。そしてそれをイベントの商品にする。自分(参加した人)が作ったお菓子だったらその人たちは自分で自分の作ったものを買ってみたくなると思いませんか?

つまり普段僕が支払っているコストを、お客さんが払って、うちでお手伝いもしてくれて、しかもその商品を買ってくれる。コストが減って売上は上がる。これはとてもいいです。しかも一緒にお菓子作ったりしたら関係性も生まれて「属している自分」も手に入ります。

こうやって、自分の商品って実は他にもたくさんあるので1つのものだけ売っていても厳しいので、売るものはどんどん変えて単価をあげて、自分の労働力も下げていきましょう、というお話も一緒にその時させていただきましたね。

1番大事なこと

最初も書きましたが「お客さんは何も選ばない」と言う選択肢があります。それなのになぜあなた(僕)の商品を買わないといけないのか、それを教えてあげることが大事。それを買うとどんないいことがあるのか。

今回のコンサルのお客様は「コンセプトなども含め色々伝えていくべきかどうか」につきましても悩んでいらっしゃいましたので、そこは「どんどん伝えて大丈夫です」とお伝えしました。しかも可能であれば定着するまで毎日。その人のストーリーやコンセプトが1番最強の宣伝広告です。どれだけお客様に親近感を持ってもらえるかが勝負、な訳です。先ほどのコーヒーセミナーや焼き菓子の教室などもそうですけどめちゃくちゃ大事なのは「狭い空間で一緒に過ごしてどんな人間がやっているのかを手っ取り早く見せることができる」っていうことです。そこで生まれる親近感こそが僕がとっても欲しいものなんですね。

見るもの、聴くもの、食べるもの、考えること、もう全てがきっかけであり商品で、全てが価値です。その人のフィルターを通った瞬間にその人のもの。

その人の体臭がするものが好まれる。

そういう時代です。

いざ、何かしようと思った時にちゃんと集客できるよう、普段からSNSやいろんなリアルな人との出会いは怠るべきではないな、とお話しながら改めて感じた次第です。ちなみに僕のやるセミナーは今まで全て満席です。僕の人気があるからとかではなく、僕という人間に親近感を持ってもらえるようなSNSだったりブログやnote運営をしているからですね。今日聴いたレコードの感想とかばっかりtwitterで書いたりもしてます。そんなんでいいんですよね。何かを継続することです。

今回のコンサル、僕も大変勉強になりました。

誠にありがとうございました

この記事を書いた人

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